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【 江戸太夫三味線評判記 】

(2022.05.15)
提供者:ね太郎
 
江戸太夫三味線評判記
    浄瑠璃評判記集成による    
 
    大坂下り  竹本土佐太夫
道に曇らぬますかゝ見
  附り 是か浮世の誠なり
      下り  竹本氏太夫
如何様これは斯もあらん
          津賀太夫
アヽぎよふ〳〵しい
  附り 神武此方ないづなほたへ
     細太夫改 住太夫
かたじけないおつしやりよふ
  附り かたちははでに気はしをれ
          越太夫
聞とゞけしが詮議はすまぬ
  附り 表は忠義に見せかけて
          浪太夫
ヤアむねんなり
  附り けふの仰にがゝをれた
          春太夫
なまぬるくやられしな
          若太夫
たつた一口
  附り どふなる事か
          志賀太夫
呑込ぬふらち〳〵
          咲太夫
私のはからひなく
          雛太夫
 
終なければ始もなし
          嶋太夫
ヤア知らずんばしらぬにせよ
      蟻風改 播磨太夫
なを望まるゝ三味線
 附り 正しき本てうし
    頼母太夫改 祖太夫
アヽうとましとかたりける
          組太夫
コリヤなんじや
          沢太夫
べり〳〵とはしやいだおとぽね
   野沢庄次郎改 紋太夫
友ほうばいのかほよごし
          津太夫
何をいふてもしらぬがしんじつ
         佐賀太夫
なが居はおそれ
         出水太夫
ばちびんあたまをかくばかり
 
    三味線之分
         仲助
ものひそやかに
 義理づくめ
 大坂下り勝造改 蟻鳳
ものやはらかに
  理をせめて
  同人門弟下り 市造
虎の威をかる狐
         勘五郎
糸も心も乱るゝばかり
         東蔵
木綿木綿と落ぶれし
   久米五郎改 靍松
モヲよいハ三味線やめい
   久米次郎改 久米五郎
その身のみやうが
  あしからまじ
         利平
萬人のそしりをうけても
         重五郎
ムヽさもありなん
         源次郎
心のてんじひきしめて
         喜次郎
いかな乱るゝね〆もなし
     五助改 定四郎
自身の手並見せつけて
     蟻七改 紋左衛門
糸もやさしき
         庄兵衛
水あげかぬる風情なり
         清四
何やらしさいらしい
         仲二
すぐさま都におしのぼり
         庄蔵
しらぬ事は是非もなし
 
ヤアものども
         喜代太夫
         須賀太夫
         律太夫
         靍太夫
         三輪太夫
         美名太夫
         音太夫
         辨蔵
         光蔵
         源太郎
いらぬせわ御むよふ〳〵