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 【 床本集 】

(2006.10.06掲載)
(2019.03.26補訂)
 
 
豊竹古靱太夫
良弁杉の段
(二月堂)
昭和三年正月序

国立劇場上演資料集
536 pp39-63は
昭和五年三月序
扉に「昭和三年一月京都四條南座に於て」とある

「師匠の二度目になります大正一四年四月「二月堂」
だけが單獨で上演されました時、師匠の意見で
「良辨杉由來」といふ藝題がはじめて出來まして、」
(竹本綱太夫「志賀の里」と「櫻の宮物狂」
 幕間6巻5号 p36)
豊竹古靱太夫刊
鬼界ケ嶋の段
昭和五年正月、四ツ橋文楽座の柿落に、その年の
御勅題「海辺の巌」に因んで、山城少掾が久々に
勤められました。明治二十三年以来四十年振りとの
口上ですが、実はもう一度出てるらしい。しかし、
いずれにしろ珍しいものなので、山城少掾がご自分で、
活字の床本に字句の解釈を添えた小冊子を
作製して、お客さんに配られました。
(『四代越路太夫の表現』)
断絃会
豊竹古靱太夫
博多小女郎波枕

 
見たこと聞いたこと 板東簑助(文楽2巻2号)
竹本摂津大掾
引退興行
徳太夫住家の段
その引退興行の語り物が「楠昔噺」の三段目であると
發表されると、客はもとより幕内の者もあつと驚いた。
皆はこんな大物の長丁場を大掾が七十八歳で語らうとは
夢にも思つてゐなかつた。・・・そして四月一日の初日を
あけてみて、ひとびとはもう一度驚いた。七十八歳とは
思へぬ若若しい美音で、美事に語り通したのである。
高調子のところを外すやうなことも無論なかつた。
聲も枯れなかつた。
織田作之助 『吉田栄三』
竹本大隅太夫朱章
鶴澤綱造訂正
朱入五行浄瑠璃稽古本
 
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